【SEED POLICY】固定種、交配種(F1種)って?ツクヨミファームの品種について


【SEED POLICY】固定種、交配種(F1種)って?ツクヨミファームの品種について


Hello Food Changers!
ツクヨミファームの品種の選定基準は育てて楽しかったもの、姿がキレイなもの、味や収量、まだ育てたことがないものです。
なので育てているお野菜は固定種に限らず、交配種(F1種)でも育てたいものを育てています。
栽培方法(自然農)の都合上、少肥耐性(少ない肥料でもある程度の収量を得られる特徴)も必要になってくるため、自家採種もするので、固定種も多くなってはいます。
ただ栽培方法(密生混植)の都合上、特にアブラナ科は交配種(F1種)になる可能性が高く、交配させない工夫はできますが、現時点では優先度が低いため採取していませんm(_ _)m

どうしても消費者の方にも考えて欲しいことがあります。
こちらのブログを見られている方の中には、有機や自然栽培が普及するといいなと思っていただいている方もいらっしゃると思います。
ですが、種の問題(認識)については有機や自然栽培の普及のためには大きな足枷となっているのが現実です。
最近であれば種子法や種苗法の話題であったり、タネが危ないなど、不安になってしまう様な情報が拡がっていますが、ほとんどが不正確な表現で、残念ながら多くの人に誤解を与えてしまっているのが現状です。
投稿で細かい質問など頂ければ喜んで回答いたします。
日本ほど自然栽培に適した大地はなかなかありません。
有機や自然栽培の普及のためにも是非一度考えてみて下さい^^

家庭菜園を楽しむ際や、野菜を購入する時など、固定種と交配種(F1種)といっても何が違うの?と考えたこともあると思います。
実際にツクヨミファームでも交配種(F1種)の「安全性」に関するお問い合わせをいただくことももちろんあります。
一般的にスーパーなどの小売店で販売されている品種は交配種(F1種)の場合が多くなりましたが、伝統野菜(在来種)や有機栽培(自然栽培)に取り組んでいる生産者などこだわって選択する方が多い固定種ですが何が違うの?
それぞれどんなメリット・デメリットがあるの?
交配種の「安全性」は本当に懸念する必要があるの?
固定種をこだわりを持って選択する理由やその魅力について掘り下げていきましょう!

 

固定種・交配種(F1種)とは

固定種は、
昔ながらの自家採取して栽培を継続してきた品種です。
分かりやすくは見た目、その形状がイイね!と思ったものや、これは味がいいぞと思ったものを選抜していくことで、違う地域に移動してもその土地の気候風土にも馴染んでいくことができ、お財布に優しくもあります。
全国各地で栽培されている「伝統品種(在来種)」は固定種のことですね。
例えば、京都の聖護院大根はもともとは普通の真っ直ぐな大根でしたが、京都でその真っ直ぐな形状ではなく、丸くて味の良いものを選抜し、そうでは無いものを排除していった結果です。
キッカケは突然変異かもしれませんし、蕪なんかと交配したことかもしれません。
人間で言えば、近◯相◯に近いので急に種が採れにくくなることもあります。
突然変異の代表例はお米じゃないでしょうか。
お米は基本的に交配する可能性は低いので、台風で全て倒れた中で残っていたコシヒカリから生まれたイセヒカリはコシヒカリと全く逆の特徴を持っています。
同じ様に、コシヒカリより1.5倍程大粒ないのちの壱なんかがその特徴を固定されています。

交配種 (F1種)は、特徴の異なる固定種と固定種を掛け合わせ(交配)することでできるいわゆる雑種品種です。
異なる品種間で交雑した品種は両親の良い面を兼ね備え、病気に強かったり、糖度が高かったり、発芽や生育が揃いやすいといった様に「メンデルの法則」により、特徴が均一に発揮されることが特徴で日本のお家芸と言えます。
人間でいうと日本でもハーフの方の活躍が目立つ機会が増えていますよね。
努力は当然ですが、そのベースは日本人離れした優れた身体能力が一役買っていることは間違いないでしょう。

 

固定種のメリットとデメリット

メリット

・種を買う必要が無い
自家採種ができるため、種を買う必要はありません。
が、これはメリットと言えるかもしれませんが、デメリットと言うこともできます。
日本の農地は小さく、細かく分かれていて、昆虫による虫媒(受粉)を考えると、蜜蜂は少なくとも半径2kmは行動範囲です。
その半径の中、例えば隣の畑では違う品種がつくられていたら?
採種技術によってその品質は大きく左右されるため、固定種だから全て親と同じ特徴を持った種を採取できるとは限りません。
また、種を採るまでは種蒔きから数えると10ヶ月〜1年近くの時間を必要とするため、その間は種を採るための植物に農地を占有されることになります。
採種するまでにもう1回転は収穫できることを考えれば、種を買う方がはるかに安いと言うことができます。

・その土地の環境に適応していく
固定種はその土地で繁栄するためにその環境に適応しようとしていきます。
例えば暑い地域の茄子の種が寒い地域に移ると、早く実をつけないと子孫を残せないので早生に変化することも考えられます。
コツはありますが、肥料を与えていない中でも逞しく育つものを選抜していくと少肥耐性、根張りの良い品種に育成させていくことができたり、そもそも病原菌が少ない状況にすることが理想ですが、病原菌に慣れることができれば病気にも強い!といった様に自分好みに育成させていくことは愛着も持て、固定種ならではの魅力です。

・味
一番分かりやすいのは味。
固定種だから美味しいというのはありません。
糖度や食感の点(もちろん栄養価も)は栽培方法で変化するものなので、その個性は様々です。
トマトが青臭ぇ!だったり、人参臭ぇ!だったり濃厚?な大地の味がしたりとそのクセ、良く言えば昔ながらの味と思えたりと野菜本来の味や香りは、食べやすく、単純に糖度が高いなど最近の画一的な品種(交配種)では得られない

デメリット

・収量や品質が少ない
代々形質を受け継ぐといってもそれが全て品質の良いものになるわけではありません。固定種はもともと遺伝的多様性を持っており、あえて形状にバラつきを出すことがあります。そのため、収穫できる時期や大きさ、品質にばらつきがあります。大量生産をすることが求められる農業では管理が非常に大変です。

 

交配種のメリット・デメリット

メリット

・発芽や生育がそろいやすい
交配種は発芽時期や生育期間を管理でき、形などの見た目も揃えることができます。収穫の時期を管理できるということは、収穫の時期を合わせてまとめて収穫することも、収穫の時期をずらして負担を減らすこともできます。
・病気に強い
交配種には特定の病気に対する耐性を持った品種などもあり、その野菜で起こりやすい病気を防ぐことができます。これは、農薬や肥料を使用しないツクヨミファームにとって大きなメリットです。
・一般受けしやすい(子供も食べやすい)野菜を作ることができる
苦みや香りが強い野菜でも、交配することで、食べやすく一般受けする野菜を作ることができます。例えば、フルーツトマトや苦くないピーマンなどです。

デメリット

・毎年種を買わなくてはならない
交配種から取れた種を使っても、同じ品質の野菜を作ることができません。そのため、昨年と同じものを作りたいときは、再度種を購入する必要があり、コストがかかります。

交配種(F1種)は危険なの?

交配種(F1種)は決して危なくなんかありません。
F1という表記が問題なのか、交配種(F1種)=遺伝子組み換え品種と思われている方もいらっしゃる時があるのですが、交配種(F1種)は遺伝子組み替え品種ではありませんm(_ _)m
交配種(F1種)で不安を煽る一番の文句は雄性不稔です。
雄性不稔は雄しべがない、もしくは、雄しべはあっても花粉がなく、雄の機能を果たさない特徴のことから不妊症や無精子症と結びつけ煽るには恰好のネタとなっています。。。
通常は花の中で近くにある雄しべと雌しべで受粉するので異なる品種を交配させるために大変な労力がかかるのですが、雄性不稔の特徴を活かせば効率化することができます。

よく、固定種、在来種も大きくまとめると栽培種です。
では天然の植物はというと野生種ということになります。
が、特に雄性不稔が懸念されているアブラナ科での野生種では5割程は自然に雄性不稔の特徴が現れるものもあります。
交配しやすいこと、雄性不稔であることも、他の遺伝子を取り入れるため、植物達が選んだ進化のための手段です。
栽培種では雄性不稔の特徴は突然変異などで発見されたりなど基本的に失われた特徴になっています。
栽培種になって数千年で失った特徴(雄性不稔)と、ずっと維持し続けている特徴(雄性不稔)。
自然が選択していることを人は不自然だと言っています。


交配種(F1種)を作るには様々な個性的な固定種が必要なので固定種の育成にも繋がります。

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