阿波ツクヨミファームの「リジェネラティブ農業」ってどんなもの?

阿波ツクヨミファームの「リジェネラティブ農業」ってどんなもの?

ツクヨミファームのリジェネラティブ農業

サスティナブル(持続可能性)という言葉は様々なところで使われ広く認知されてきたと思いますが、
リジェネラティブ農業(環境再生型農業)は、まだ聞き慣れない方も多いかと思います。

サスティナブルもリジェネラティブも地球環境をより良くするために生まれてきた言葉であることは共通ですが、
サスティナブルは、
「今日の世代のニーズを満たすために、将来世代のニーズを犠牲にしない様、今以上に環境を悪化させないためにはどうすればよいか」
という考え方が根本です。
地球に対する環境負荷を抑えられても、環境がより良く改善されることとは別であるため、
リジェネラティブ(再生、回生)という考え方は、
環境負荷を抑制するだけではなく、根本的な問題を解消した上で環境を改善していこうとする取り組みです。

ではリジェネラティブ農業はどの様な可能性を持っているのでしょうか?

それは土壌は、大気の2倍、陸上植生の3倍の炭素貯留能力を持つ巨大な炭素貯蔵庫であることです。
地球上では、陸地の3割以上を農業による土地利用が占めています。
4パーミル・イニシアティブという世界的な取り組みがある様に、
耕さないことを始め、農地に炭素を貯留することで、全世界の土壌に含まれる炭素量を毎年0.4%ずつ増やすことができれば、
人類が年間で排出している二酸化炭素の量よりも多い量の温室効果ガスを、土壌中に埋め戻せるという大きな可能性も秘めています。

農業が温室効果ガスの主要な排出源で総炭素排出量の30%、
淡水使用量の70%、
生物多様性の損失の要因の60%を占めるという現実の中、
リジェネラティブ農業の源流は日本の自然農法にあり、誇らしく思います。

そのリジェネラティブ農業と自然農法の共通する最も重要な特徴は、
不耕起栽培であることです。

農地の土壌を健康的に保つことに加え、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復に繋がることが期待されます。リジェネラティブ農業には様々なアプローチがあり、ここではツクヨミファームが実際にしているアプローチの一つである不耕起自然栽培を紹介します。


畑作業と聞くと畑を耕すことを想像する方は多いのではないでしょうか。一般的な農業では耕起といってまず地表を耕す作業からはじまります。この耕すという行為は、地表を掘り返し、酸素を土に取り込ませることで、土壌に固定していた炭素が酸素と結びつき、二酸化炭素を排出させます。しかし、ツクヨミファームでは畑を耕さない不耕起栽培という方法で農業をしています。不耕起自然栽培は野菜の安全性だけでなく、環境にも多くのメリットを持ち合わせています。



不耕起自然栽培って何?

不耕起自然栽培とは作物を栽培するとき、通常行われる耕起(耕す作業)や整地(土地をトラクターなどで整備すること)の行程を省略し、作物の刈り株、わらなどの作物残渣(前回の作物の残り)を畑の表面に残したまま次の作物を栽培する方法のことです。

ツクヨミファームは機械を使ってエネルギーを消費しながら耕起する代わりに虫や植物の根の力が土を耕しています。この不耕起栽培は、現在農業が抱える環境問題の一部でもある土地劣化や二酸化炭素排出などの対策・解決方法としても考えることができます。


ツクヨミファームがこの不耕起栽培にこだわっている最も大きな理由として生物多様性の保持・向上があります。生物多様性とは、生きものたちの豊かな個性とつながりのことで、不耕起栽培をするにあたって無視することのできない価値があります。



土壌の生物多様性と農業の関係

どのように不耕起栽培を通して生物多様性を保持・向上させるのでしょうか。不耕起栽培の特徴に「混植」と呼ばれるものがあります。

混植とは、簡単に言うと一つの畑に複数の植物を植えるということです。想像しやすい例として家庭菜園が挙げられます。「キャベツ農家」や「いちご農家」と言うように、ほとんどの農家は一つの畑に一種類のみ農作物を栽培します。

様々な植物を一緒に植えると、それぞれの植物や生物が持つ非常に多様な栄養素が土壌に含まれることになり、農薬や肥料を用いる必要が基本的にはなくなります。野菜の配置や相性を考慮しながら植え、生物多様性をより豊かにすることは農業において様々なメリットがあります。

ここでは、ツクヨミファームがどのように生物多様性を保持・向上させるのか、そして生物多様性がどのような影響を農業に与えているのかを一部紹介します。

 

1. 前作物を残す

前の作物の残りをそのまま地表に放置し、それらが土壌の表面を覆ってくれます。それによって風雨による土壌流出を緩和することができます。

 

2. 除草する時は根を残す

雑草を処理する時も、根ごと抜いて捨てるのではなく根の上の方で刈り、刈ったところより下の根はそのまま土に残します。土の中に残った根が酸化することで、養分や水分を通すホースのような役割を果たします。これによって土壌の排水性も保水性も良くなり、全体に栄養が行き渡る水はけの良い土壌になります

 

3.虫害対策

農薬をまかずに虫害対策ができるの?と不思議に思う方もいるかもしれません。虫害対策のアプローチの一つにコンパニオンプランツを取り入れる方法があります。コンパニオンプランツとは、育てたい野菜や花のそばに植えることでよい影響をもたらす植物のことです。例えば、ナスの苗の横に小さなネギを植えることでナスの虫害対策をします。

 

4.省力化

耕さないため省力化でき、耕していた分の時間を他のことに使えたり、人件費を削減したりすることにも繋がります。

 

5.根と茎

耕していない土地を根が突破していくため、トラクターでは届かない深層部まで根が土地を耕していきます。この活力のある根が茎を太くしています。



ツクヨミファームでとれた野菜について

ここまでツクヨミファームの農業を紹介してきました。たっぷりの養分や微生物と共に育った野菜は、野菜本体の味、美味しさを楽しむことができます。

私たちが真心込めて作ったお野菜をぜひ一度お試しください。

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参照サイト

リジェネラティブ農業とは? 世界で注目されている農法を事例と共に紹介/ SMART AGRI

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)とは・意味/ IDEAS FOR GOOD

耕さない農業。不耕起栽培とは?/ Think and Grow Ricci

コンパニオンプランツとは?おすすめの植物や植え方一覧/ HORTI by Green Snap

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